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熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第11弾『黄昏のリストランテ~復讐はラストオーダーのあとで~』インタビュー

三宅裕司と羽田美智子インタビュー三宅裕司と羽田美智子インタビュー

スタイリスト= 梶原寛子 ヘアメイク= 森上マリコ

ドレス= WaCCa /ドレスアンレーヴ @wacca_official @dressunreve
イヤリング・リング= 1DKA Jewelry A works /ドレスアンレーヴ @1 dk jewelryworks
*お問い合わせ先:03-5468-2118
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2025年6月2日(月)より、一座旗揚げから21年目、新橋演舞場でシリーズ11回目となる三宅裕司率いる「熱海五郎一座」の公演が行われます。座長の三宅裕司に、渡辺正行、ラサール石井、小倉久寛、春風亭昇太、東 貴博(深沢と交互出演)、深沢邦之(東と交互出演)に加え、今回のゲストは、コメディセンス抜群のナチュラル系美人の羽田美智子と、フルスイングの演技に華やかなダンスと多彩な才能を発揮する剛力彩芽。「料理」「悲しい過去」「復讐」をキーワードに、大爆笑の東京喜劇をお届けします。

今回はそんな新たなる「熱海五郎一座」の見どころを、座長である三宅裕司、そして今年のゲスト羽田美智子から語っていただきます。

キーワードに「料理」を選んだ理由は?

―新橋演舞場での上演が始まって11回目となる「熱海五郎一座」。
今回のキーワードである、「料理」「悲しい過去」「復讐」の話から伺います。まずは料理をポイントにした意図から伺いたいのですが。

三宅裕司(以下、三宅):新橋演舞場で上演するようになって11回目。もうね、いい加減、設定のネタが尽きましてね(笑)。そうしたら作家(吉髙寿男)がまだ食の世界はやってないと言い出して。ほら、日本オリジナルの種が海外に盗まれたり、お米があるのにないと言われたり、日々ニュースにもなっているし、食べるって誰にとっても必要なことでしょう。テレビも食べ物の番組ばっかり。それなのに忘れていたんですよ、食の存在を(笑)。それで今回は食にしました。

2人の美しき女性ゲストのキャスティングの秘密

三宅裕司

―東京のとあるリストランテで腕を振るう美しき女性シェフ。食通をも唸らせる彼女は、オーナーへの復讐という秘密を抱えている。もう一人、そのリストランテの常連客である女性セレブにも秘密があって……。2人が互いの過去を知ったことで、物語は大きく動いていくという展開になるようですが。

三宅:料理、悲しい過去、復讐という3つのキーワードに共通するのは笑顔だと思うんです。おいしい料理はお客さんを笑顔にしますし、悲しい過去があるほど笑顔が活きる。復讐を悟られないようにするのも、きっと笑顔なんじゃないかと考えました。

 だからこの役には笑顔の素敵な方が必要だと。笑顔が魅力的な方は誰だというところから始めました。羽田(美智子)さんとは、『おかしな刑事 居眠り刑事とエリート女警視の父娘捜査』(テレビ朝日)でご一緒させていただいたんですが、入っていらっしゃると現場の雰囲気が明るくなるんですよね。営業スマイルなんかではなく、羽田さんの笑顔は心からのもの。その笑顔が周りを魅了する感じが欲しいと思って、決めました。

―そんなオファーを羽田さんはどのように受け止めたのですか?

羽田美智子(以下、羽田):私、この舞台の大ファンで過去の作品もほとんど拝見しているんです。これからもずっと客席で見続けさせていただきたいなと思っていた舞台へのオファーでしたので、嬉しくもあり、怖くもありでした。

 皆さん、ステージの上では何でもないように軽やかに演じられていますけれど、歌も踊りも、パフォーマンスのレベルはとても高いわけじゃないですか。私としては、ショーとしての完成度が高いこの作品の稽古期間のことを想像しちゃうわけです。ね、もう恐れ多いでしょう(笑)。

コメディを演じる羽田美智子を泣かせる人は?

羽田美智子

羽田:昨年、伊東四朗さんがゲスト出演された第10回記念公演を拝見したんです。そのカーテンコールで伊東さんが登場されたとき、それだけで私、号泣してしまって……。ふとステージを見たら、伊東さんをお迎えする皆さんも涙を浮かべてらっしゃる。舞台の上と客席が一体となっているのを感じました。皆で一つのものを作り上げている、すごい芸術だなと泣けてきちゃったんです。

 そんな舞台に自分が立てるわけがない。ずっとファンでいようって思っていたのに、お声をかけていただいた。やるべきだと思いつつもあまりのことに、実は伊東さんにご相談したんです。そうしたら「俺は、あそこに立つみっちゃん、見たいぞ」と言ってくださった。「安心して任せられる、信頼できる方たちの舞台だから思い切って頑張れよ」みたいなメールをいただいて……。あ、また泣けてきちゃう(涙)。

三宅:去年の舞台は、歌で伊東さんを迎えるカーテンコールだったんですけど、皆、涙で歌えないんですよ。

羽田:そうそう、それもあってなおさら感極まっちゃったんです。

三宅:伊東さんは“歩く感動”って呼ばれてますから(笑)。カーテンコールでみんなが挨拶するとき、前のほうのお客さんから「伊東さん、座らせてあげて」って声が飛ぶくらい。お客さんからそんな命令されたの初めてですよ(笑)。

羽田:あははは。

三宅:仕方ないから舞台で使った車椅子に座っていただきましたけどね。伊東さん、お元気ですが、舞台中に87歳になられました。

羽田:今回、私は不安と恐れもありますが、それは高みを目指すときに抱くものと考え、勇気を持ってその壁に登ってみようと思っています。新しい境地が開けるかもという期待と不安が入り混じる心境ではありますが頑張ります。

熱海五郎一座が目指す笑いとは?

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三宅:僕が一番大事にしているのは稽古場の雰囲気なんです。舞台には稽古場の雰囲気がそのまま出るので。アドリブはやらないし、細かく作り込んでダメなら次の日は変えてみるスタイルで、役者を追い込むなんて絶対にやりません。お客さんに笑ってもらうためにはとにかく楽しくやっている雰囲気がそのまま出ないとダメ。だから稽古場は楽しいですよ。

―話を伺っているだけでとても楽しい舞台になるだろうことが伝わってきます。

羽田:お客さんより前に笑わないようにしないと(笑)。

三宅:実はそれもちょっと狙っています。羽田さんを舞台上で笑わせたいなと。

羽田:以前、三宅さんがやられていた『コントの劇場』(NHK)という番組に、佐野史郎さんと呼んでいただいたんです。そのときの台詞は「池に落ちたのは、金の佐野か、銀の佐野か?」で、本当は答えを間違える予定だったのに当たっちゃったんですよ。仕方がないので「金の佐野をどうぞ」って言ったら、三宅さんが「いらねえよ」って……(笑)。もうそれだけで可笑しくって、台詞が言えませんでした。

三宅:だめだ、こりゃ(爆笑)。

羽田:いま思い出しても可笑しい(笑)。

三宅:そのままの羽田さんで臨んでください。

―もう一人のゲストである剛力彩芽さんと羽田さんには、復讐にまつわる秘密があるとのこと。差し支えない範囲で復讐劇について教えてください。

三宅:どこまで言っていいのかがわかりませんが、笑顔の素敵な2人の裏に何かがある。復讐する相手がいて、それが一致する感じになっていくのかもしれません。

―楽しみですね。資料を拝見してもどんな話になるのか全くわかりませんので。

三宅:なぜわかんないかというと、まだできていないからです(笑)。でも「笑顔の素敵ないい女」と「笑顔までも汚い変なおっさんたち」が出てくる復讐劇というところは間違いない(笑)。剛力さんと羽田さんの対立や、日本の食文化を守るみたいな大きなテーマもたぶん出てくるんじゃないかと思います(笑)。笑いって、緊張感があればあるほどリアルになるんですよ。緊張すると人間は失敗して、それがギャグになるので。それにお客さんは見抜きますからね、ただ笑わせるためだけの仕掛けを。テーマやストーリーは緊張感のあるほうがいいし、それほどの緊張感の中で復讐しようとしている人がぼーっとしているなんて、それだけで可笑しいでしょう?

羽田:歴史が変わるようなコメディになるかもしれませんね。

―ぜひ今後も20回、30回と続けていただきたいですね。

三宅:できる限りやりたいなと思っています。喜劇と全然関係ないジャンルの人を呼ぶのも面白いなと思っています。志村けんさんみたいなすごいコメディアンの方や、高倉健さんみたいなスターにもゲストに来ていただきたかった。舞台に上がっただけでギャップですからね。いろいろなギャグができますよ。

―「東京喜劇とは、そんな格好良さと格好悪さのギャップが生み出すものなのかもしれません」と、以前おっしゃっていましたね。

三宅:定義したわけではないんですが、ギャップから来る笑いは目指すところです。格好良い部分は本当にレベルの高い格好良さにする。だから歌とダンスはレベルを高くして、その後のずっこけもレベルの高いものを提供する。この落差が笑いに繋がるということでしょうね。

―楽しみにしております。ありがとうございました。

松竹創業130周年・新橋演舞場100周年 熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第11弾『黄昏のリストランテ ~復讐はラストオーダーのあとで~』は、6月2日(月)から新橋演舞場にて公演。チケットの購入はチケットJCBで!