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スーパー歌舞伎『もののけ姫』インタビュー特集

市川團子 市川團子
 アシタカ=市川團子 ©松竹

2026年7月3日から8月23日の期間中、新橋演舞場でスーパー歌舞伎『もののけ姫』が上演されます。本作は、1997年に公開された名作「もののけ姫」を、スタジオジブリの協力のもと、「スーパー歌舞伎」で再構築。原作映画を彩った久石譲の音楽も用い、壮大で奥行きのある世界を描き出します。
今回は、アシタカを演じる市川團子にインタビュー。自身にとってのアシタカ像や作品の印象、そして祖父・二世市川猿翁から受け継いだスーパー歌舞伎への思いを伺いました。

  アシタカの行動は「バタフライエフェクト」。運命に抗う主人公をどう演じるか

市川團子
アシタカ=市川團子 ©松竹

スーパー歌舞伎『もののけ姫』は、1997年7月12日に公開されたスタジオジブリ制作の同名アニメ映画が原作です。

村を襲ったタタリ神を退治して、死の呪いを受けた少年・アシタカの葛藤。
山犬に育てられた人間の娘・サンの憎悪。
深山の麓でタタラ場を率いるリーダー・エボシ御前の策謀。
そして、彼らを容赦なく呑み込まんとする大いなる自然の力。

理不尽な運命に抗う若者たち、人間同士の争い、自然と人の関わりなど、様々なテーマを詰め込みながらもエンターテインメント作品として完成された本作は、当時の日本歴代興行収入を塗り替えるほど多くの人々を魅了しました。

「幼少期に観たことがあるけれど、当時は内容が難解で深く理解ができなかった。けれど、最近になってこの作品の素晴らしさ、面白さに気付きました」とは、今回のスーパー歌舞伎『もののけ姫』でアシタカを演じる市川團子。

「作中ではアシタカとサン、エボシ御前がそれぞれ違った思想を持って行動し、対立する。しかし、決して誰かを傷つけたいわけではない。だからこそ、各々が自分の正義を貫いて、奔走して、頑張った事実が大切なのだと思うのです」。

自身が演じるアシタカについては、「彼の行動はバタフライエフェクトだと思う」と、興味深い見解を述べます。

「彼が奔走しても、最終的にはシシ神様が全てを壊し、別の形で再生するという運命は変えられなかったと思う。けれど、彼の行動は遠い未来まで残って、何かを変えている。ラストシーンでエボシの『ここをいい村にしよう』というセリフがありますが、きっとアシタカの行動に少なからず影響を受けていて、それが何百年も先の未来でも良い変化を与えているのではないかな、と思います」。

  「歌舞伎はデフォルメの演劇、だから向いている」。スーパー歌舞伎と『もののけ姫』の親和性とは?

中村壱太郎
サン=中村壱太郎 ©松竹

日本映画界の名作をスーパー歌舞伎として上演することに関して、「歌舞伎との親和性が高い」と、語る團子。

「歌舞伎は、いわば『様式美、デフォルメの演劇』で、『もののけ姫』のように絵面の美しさと壮大な世界観を持つ作品に向いていると思います。特に「スーパー歌舞伎」の作品は、歌舞伎独特の演出と現代人の心を打つストーリーとテーマ性を併せ持ったものです。『もののけ姫』にも明確なテーマ性があります。そういう意味でも相性がいいはず」。

また、自身がこれまで出演してきたスーパー歌舞伎との違いについても語ります。

「これまでの『ヤマトタケル』は古事記や日本書紀、『新・三国志』は三国志演義と、原作が古典だったので、脚色の自由度が高かった。しかし、今回は原作のイメージが皆様の中にしっかりとある。それをどのように歌舞伎へ落とし込むのか、注目しています」。

さらに、原作映画で多くの人々の心をつかんだ久石譲の音楽についても「好きです。『もののけ姫』の楽曲は全部好き」と、深い思い入れを持っている様子。

「曲が流れ出した瞬間、太古の雄大な森と、運命に立ち向かう勇気や孤独さが脳内に広がる。そんな音楽、なかなかない。あの音楽ができるまでには、久石さんと宮﨑監督のやり取りがあったと聞きますが、二人の追求する姿勢がすごい。メロディも雰囲気も、本当に大好きです」。

  屋久島で垣間見た『もののけ姫』の世界観。刻まれた感動を芸に込め、舞台へ臨む。

中村時蔵
エボシ御前=中村時蔵 ©松竹

今回、物語のイメージを掴むため、劇中舞台のモデルとなった屋久島へ足を運んだ團子。

「ガイドさんに案内していただいて、様々な場所を巡ったんです。その中でも、私がとても印象に残っているシーンのモデルとなった「太鼓岩」という岩場からの景色が素晴らしかった。ガイドさんも『これほど景色のいい日は、なかなかありません』とおっしゃるほどで。その時ふと、かつて祖父・猿翁が高祖父(初世猿翁)から伝えられた『いいものを見なさい』という教えを思い出しました。本物の景色を見て感動し、舞台でその感動を再現すれば、同じ景色がお客様に伝わる。私も屋久島での記憶、経験を舞台で活かして、『もののけ姫』の世界観を表現しようと思います」。

稀代の名作映画が、スーパー歌舞伎でどのように表現されるのか、期待が高まります。

スーパー歌舞伎『もののけ姫』は7月3日(金)より新橋演舞場にて開幕、チケットJCBでは5月27日(水)より先着受付を開始いたします!また、7月18日(土)4:00PM公演では、イヤホンガイド解説員による事前レクチャー講座やお弁当、イヤホンガイドといった豪華特典付きのプランをご用意。作品の世界観をより深く味わえること間違いなし!
ご予約はぜひチケットJCBで!